つい先日、古市忠夫著「60歳からのティショット」という本を買った。通勤の二日間で読んだが、久しぶりに感銘を受けた。

ご存知ない方のために補足すると、古市忠夫氏はプロゴルファーだ。
しかし、普通のプロと違って、59歳でプロ試験に合格したという点、それまではごく普通のサンデーゴルファーだった点、プロゴルファーを目指した動機が、たまたま遭遇した阪神淡路大震災のために、営んでいたカメラ店・住居など財産全てを失ったが、車とトランクに積んでいたゴルフバッグが無事だったということから・・・などなど。

このような窮地からプロゴルファーになられたわけだが、そのあたりの経緯をいろいろな角度から書かれている書物だ。

氏の考え方が中心に書かれているが、実際にこんな人がいるんだなぁ・・・!と感心する事しきりである。

もっとも、サンデーゴルファーといっても、仕事の合間に並々ならぬ努力をして(それも出来るだけお金を使わずに)ホームコースのクラチャン(クラブチャンピオン)を何度も取っているほどの実力者ではあったが、それとて氏に言わせると決して自分が裕福で、ゴルフばかりに現を抜かして勝ち取ったものでなく、仕事や震災後の町づくりなどに尽力しつつ、「やる気」だけで勝ち取ったものだそうだ。

さらに、プロとなった今も、以前からの消防団、自治会などに所属して社会貢献を続けているそうだ。
ただプロとしてのトーナメントやティーチングプロとしての仕事、そしていろいろな講演活動などと多忙になったという・・・。

氏の生き様は、誰もが簡単に真似の出来るものではないが、現実にそうやってあの震災で、全くの「無」から、年齢も超えてプロゴルファーという高いハードルを見事に超えて見せたというその凄さに脱帽するのである。
この本はゴルフの技術書ではない。
氏が最後に締めくくりに書いた一部を紹介する。

「この世で大切なことはほとんど全ての人が感じるように『健康』であると思います。次に大切なものは、以前はお金や物や名声だと思っていました。今は絶対に違うと心の底から思います。それは震災にあって、一度どん底を見たからです。いちばん大切なのは人を愛する心、いたわる心、思いやる心、友情、感謝、勇気そして前向きな積極的な心だと思います。」

日本放送出版協会
著者 古市忠夫
「60歳からのティショット」

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